用務員ぢょんたが日々勝手なことを書き綴っています。

2009年11月09日

コールド・リーディング 

imgf1f72e7azik4zj.jpeg

『コールド・リーディング』という言葉を聞いたことはあるだろうか。コールド・リーディングとは、詐欺師や占い師、霊能者のたぐいが、相手に自分の言うことを信じ込ませるときに用いる話術だ。

一番有名なのは、初めてあった人に「あなたのお父さんは死んでいませんね」というやつだ。よく考えれば「死んで(この世に)いない」とも「(生きていて)死んではいない」とも受け取れる。しかし占い師や霊能者のところへ訪れるほどの精神状態なので、その言葉を自分の都合のいいほうへ解釈してしまい「当たったスゴい」とその詐欺師をすっかり信じ込んでしまう。

他には「幼い頃、高熱を出したことがあるだろう」とか「子どもの頃、生き物を飼ったことがある」、「最近なくしものをしたでしょう」とか、年齢がすこし高そうに見えれば「あなた最近、視力の低下で困っていますね」などなど、いかにも当たり前の事を、さも能力のなせる技のように言葉巧みに言ってみせる。そうやって、じわじわ信じさせて、さらに会話の中から情報を引き出し、様々なことを推測して質問を繰り出す。

相手の間の取り方や、仕草、表情などからもその人のことを敏感に感じとって信頼を得ると、しまいには「霊」のせいにする。その後、間違おうが外れようが霊のせいにしておけば問題ない。霊能者にしか見えないのだから誰も反証不能で否定できない「そう言っている」とか「泣いている」とか都合のいいように言えば大丈夫。なんたって霊なのだからなんでもアリなのである。

ところが、世の中には本物もいるようだ。カミサンが若い頃(まだワシと出会う前)のことだ。ある大きな神社の境内にいた易者さんは、まったく会話や質問をせず、カミサンの手を取ってこう言った。
「あなたお父さんいませんね。あなたは近い将来、西の方角の糸関係の工場をやっている家の跡取りのところへ嫁にいくでしょう」

十代の娘をつかまえて「父親がいないだろう」といって、いったいどれだけの確率で当たるのか。上に書いたコールド・リーディングの技法とは違う。「死んで」がないのでこの場合意味はひとつしかない。死んでいるか生きているかということをいっているのではなく、とにかくいないのだ。確かに当時カミサンに父親はいなかった。

その神社というのは三島大社で、方角からすればワシの住んでいたところは真西だ。日本列島は東西に長いゆえ、西か東といっておけばほぼ当たるだろう。こちらは確率1/2ぐらいで驚くほどのことではない。驚くべきはその次の「糸関係の工場の跡取」。ワシの実家はロープの製造業をしており、ワシはひとり息子なので当然跡取りだった。ロープは糸を束ねて作るので毎日触っていたわけだし、「糸工場の跡取り」は、完璧に当たっている。

カミサンが八卦見からその話を聞いたとき「西の糸といえば、京都西陣織の会社の御曹司」と、都合のいい解釈をしたそうだが、まったくおあいにくさまである。それにしてもぜんぜん会話もせず手に触れただけでそこまで言い当てるとは、その占い師はやはり本物だったのだろうか。別にそのあと「なにかが憑いている」ともなんともいわれなかったそうだから、やはり信憑性は高い。
posted by ぢょんた at 02:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 道徳(こころ)
この記事へのコメント
なかなかに興味深いお話でした。

先日、豊川稲荷へ行った帰り、飯田線からJRへ乗り換えて帰ろうとして、ふとなんとなく改札から出て街を歩いたんです。

久しぶりの豊橋駅前。

スターバックスとかあってオシャレな感じ。
雨が降っていましたが、そうだ、あの映画館のあった通りはどうなっているんだろう、と歩いてみることに。

アーケード街の入り口に若い女性が8人くらい並んでいてなんだろうと思ったら、易者さんがいてなにやら話してました。

卓上には「易」と書かれた小さいあんどん、易者さんは(ねずみ男がお出かけの際かぶるような)四角い小さい帽子をかぶっていました。

今この時代、「あなたのお話をじっくりと聞きます15分800円」とか看板出してたら結構いけるかもしれません。
Posted by ころわん at 2009年11月12日 20:56
確かに。普通の状態の人であれば「なにそれ」でしょうが、孤独や事情を抱えた人にとっては800円は安いかも。
ほらあれですよ、教会の懺悔みたいなもの。
Posted by ぢょんた at 2009年11月12日 23:25
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/33516278

この記事へのトラックバック